患者さまへ

初診の方へ

妊娠を希望している夫婦が1年間通常の性生活を行っているにもかかわらず、妊娠しない場合を不妊(症)といいます。妻の年齢が35歳未満なら1年様子をみてもよいのですが、35歳以上なら半年間妊娠しなければ不妊クリニックを受診したほうがよいでしょう。当院は完全予約制ですので、不妊治療、男性不妊外来をご希望の方はまずはお電話でご予約ください。
TEL:03-3429-6036

先ほど述べた目安より早い時期でも、月経不順や強い生理痛などの症状がある方には早めの受診をお勧めします。月経不順や強い生理痛などの症状がある方の場合、排卵障害や子宮内膜症などが隠れている恐れがあります。
近年、排卵を基礎体温で確認することは困難であることがわかってきており、妊娠を考えるなら早い段階で排卵の状態を診断することが必要となります。妊娠を考えているのに生理に不安があるという方はぜひお越しください。

当院では40歳を超えているからといって、必ず体外受精をお勧めしているわけではありません。40歳以上でも、タイミング指導や人工授精で妊娠される方も多くいます。今まで体外受精を続けてきたけれど結果が現れず、少しステップダウンした不妊治療に挑戦してみたいという方にもいろいろとご相談にのっています。

また、今後妊娠を考えたいが、問題がないか調べて欲しいという方もお気軽にご来院ください。
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生理不順の方へ

生理不順の方は月経が始まってから排卵するまでに時間がかかります。これは体質的なものが大部分で、普段は月経があまり来なくて楽だと思っていれば良いのですが、いざ妊娠しようとすると、自分でいつが排卵日なのかわからず、排卵の回数も少なくなるので妊娠しづらくなります。 このような場合には排卵誘発剤を用いて排卵を起こして妊娠につなげるのですが、排卵誘発剤の使い方にはかなりの経験が必要で、特に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの場合には多胎や卵巣過剰刺激症候群などの副作用も起こりやすいのです。

生理不順の人へ適切な治療を行うことはかなり難しいのですが、当院ではきめ細かな診察によりそれぞれの方の必要最小限の排卵誘発剤で排卵を起こし、副作用を抑えつつ高い妊娠率をあげています。 生理不順の方は自然妊娠を待っていてもなかなか妊娠できませんが、適切な排卵誘発剤を使用することにより、妊娠できる可能性は非常に高くなります。 月経不順があり妊娠希望のある方は早めにご受診ください。
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日中に仕事をされている方へ

当院へお越しいただいた方にアンケートを取らせていただいた結果をお示しします。当院ではお仕事をされている方も多く通院されています。不妊治療はすぐに結果がでないこともあり、仕事と治療をうまく両立させていくことが重要になってきます。当院へ通院されている方の74%の方が仕事と治療を両立させながら通院していただいています。

当院では、毎週月曜・水曜・金曜は午後8時まで診療を行っており(祝日のある週は曜日が変更になることがあります)、仕事からの帰宅途中に来院していただくことが可能です。多くの患者さまが仕事が終わってから来院されています。

どのような治療を受けるべきかお悩みの方へ

不妊治療は大きく一般不妊治療(タイミング法、人工授精)と体外受精(顕微授精を含む)に分かれています。ステップアップしていくほど妊娠率は向上していきますが、自然な妊娠からは遠ざかり、かつ通院回数・時間的な制約・身体への負荷・費用などが増えていきます。なるべく必要最小限の治療法で妊娠するためには、あとどれくらい体外受精にする前に時間をかけてよいのか、どこまでで妊娠できなければステップアップすべきなのかというラインをしっかりと引くことが重要です。当院では1991年から一般不妊治療を重視しながら体外受精(顕微授精)を行なってきました。それらの経験の蓄積から、一般不妊治療から体外受精へ移っていくタイミングとして以下のステップアップ法を提唱しています。

女性の年齢が34歳以下であればタイミング法と人工授精にそれぞれ半年ずつかけてもよいということになりますし、35-39歳であればタイミング法と人工授精は合わせて半年が望ましいです。また40-42歳であれば初めから体外受精を検討していただく(もちろん先に何周期かタイミング法や人工授精を行ってもよいと思います)ことが、妊娠に向けた一番の早道であると考えてよいでしょう。また、月経が不規則な方、強い生理痛がある方、お腹の手術を受けたことがある方、性感染症にかかったことがある方、子宮内膜炎や卵管炎になったことがある方はその限りではありません。早めに受診されることをおすすめします。

男性不妊の疑いのある方へ

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不妊治療というと婦人科のイメージがまだまだ強いようですが、不妊の原因の約半数は男性にあります。精子も年齢を重ねると運動率などが下がることがわかってきていますし、精子の状態がよくないのに妻だけが治療をしても効果が上がる可能性は低くなります。また、勃起障害(ED)や、腟内射精障害も不妊原因の大きな割合を占めています。
当院では2003年という早い時期から、男性不妊の第一人者の医師による「男性不妊外来」を行っています。女性は来院されず、男性不妊外来のみの受診も可能です。気になることがありましたら、ご予約の上、仕事帰りに気軽に受診してください。男性不妊外来は毎週水曜日の午後7時から行なっています。
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二人目不妊の方へ

近年は晩婚化が進み、お一人目を30代前半で出産される方が増えているため、二人目の妊娠は30代後半、40代となり、二人目不妊に悩む方が増えています。「一度は妊娠したのだから、そのうち」とのんびり構えているとなかなか妊娠しないことがあります。もともと何か妊娠しづらい原因があったのに一人目は偶然うまく妊娠できたこともあります。また夫婦どちらも第一子を妊娠したときより年齢を重ねています。一人目を帝王切開で出産された場合には腹腔内の癒着や帝王切開瘢痕症候群などがおこり、妊娠しづらくなっている場合もあります。また、男性の精子の産生能力が低下していることもあります。

当院ではお子様連れの方でも通院していただけるよう、通常の待合室と別に、「おやこルーム」を設けています。安心してお子様と一緒にお越しください。

人工授精をお考えの方へ

人工授精では、通常の夫婦生活に比べて妊娠する確率が2倍になるといわれています。また、排卵日付近に夫婦生活を行うことが心理的な負担になる方も良い適応になります。

私たちは、人工授精は妊娠に対して非常に有効な手段であると考えています。当院では今までの実績から、体外受精を用いなくても人工授精までの一般不妊治療で妊娠できる方が実際には多くいらっしゃることがわかっています。

人工授精がどういうものかについてはこちらをご覧ください。以下のグラフは当院における1万7千回の人工授精を解析し、年齢別に妊娠率を算出したものになります。

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当院では35歳未満の患者さまの1回目の人工授精での妊娠率は8.1%、複数回行った際の累積妊娠率は23.5%でした。これらのデータから人工授精は複数回行うことにより、より大きな効果が期待できることがわかります。また妊娠される方や体外受精へステップアップされる方が抜けていくにより、実際に人工授精が行われる回数は2-6回までが多いことがわかります。

また、女性の年齢が上がると、染色体の本数に変化のある卵子が増え、また卵巣の中の卵子の残りの個数が減ることから、体外受精の妊娠率が低くなります。このため当院では年齢が高いからといって必ずしも体外受精をお勧めしてはいません。おおよそ10個の卵子のうち1個程度の卵子が染色体の数が問題なく発育してきます。毎回1個の卵子しか採卵ができないと、正常な卵子に出会うためには10回の採卵が必要です。現実的には毎周期体外受精を行うことは精神的にも費用的にもかなりストレスが大きくなることから、体外受精を行うことで必ずしも高い妊娠率となるわけではありません。妊娠率の高い体外受精を行っても、元の卵子の染色体の数に異常があると妊娠はできないのです。ここで、人工授精であれば毎周期行うことができます。このため、当院では43歳以上の方は、人工授精を毎月行っていくステップダウンの治療法をお勧めすることがあります。ただし年齢が高くても残っている卵子の個数が多い方(AMHの高い方)は体外受精を行うと採取できる卵子の数が多くなることから、1回の採卵で染色体正常な卵子と出会える確率が上がります。このため、年齢が高くても卵子の個数が多いかたには当院では積極的に体外受精を行なっています。年齢の高い方はまずは一度ご相談ください。

体外受精(顕微授精を含む)をお考えの方へ

体外受精は体外で精子を受精させ、受精卵(胚)を子宮に戻す方法です。 当院では1991年から体外受精を開始し、現在までに1万8千を超える採卵を行っています。また、ご希望に応じて院内で臨床遺伝専門医・婦人科内視鏡技術認定医といった遺伝・手術の専門家にご相談いただくことも可能です。当院では個々の患者さまの卵巣の機能や排卵の時期、薬剤への反応性などを考慮して、その患者さまにとって最も適した卵巣刺激法を行っており、このため必要最小限の採卵回数でご妊娠いただくことが可能になります。

体外受精がどういうものかについてはこちらをご覧ください。以下のグラフは当院における受精卵のグレード別の妊娠率を示したものです。

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最もグレードの良いAA胚を移植したときの妊娠率は40歳未満、全年齢でそれぞれ70.7%、67.7%でした。同様に出産率は40歳未満、全年齢でそれぞれ50.7%、47.3%でした。BC/CB胚は単独では妊娠率が低めなので、二個胚移植を行う場合もあります。

また当院では初期胚の移植も行なっています。採卵の際には基本的に最初に一番よい胚を初期胚で凍結し、残りを胚盤胞で凍結していることから、当院の初期胚の妊娠率は高いです。もっともグレードの良いG1胚を移植したときの妊娠率は40歳未満、全年齢でそれぞれ52.4%、40.4%でした。同様に出産率は40歳未満、全年齢でそれぞれ33.3%、19.1%でした。初期胚移植を行っていない病院もありますが、子宮外の環境におく期間をできるだけ短くすること、また胚盤胞移植では子宮内膜に着床しづらい方が一定数いらっしゃることから、当院では初期胚移植には意味があると考えています。

また、年齢別に何回採卵すれば妊娠・出産まで至れるかをお示しします。35歳以下の患者さまでは、初回採卵での妊娠率は51.7%でした。また、複数回採卵を行った際の累積出産率は62.9%でした。当院では、必要最小限の治療でご妊娠いただけるよう、個々の患者さまの卵巣の機能や排卵の時期、薬剤への反応性などを考慮して、その患者さまにとって最も適した卵巣刺激法を行っていきます。そのため自然周期のみで採卵を行う場合と比べ、より少ない周期数で妊娠へ向けて進めていくことができます。周期ごとの卵巣刺激法については主治医とご相談しながら進めていくことになります。

胚移植―反復着床障害の方へ

移植された受精卵は子宮内膜と相互に連絡を取りながら、着床していきます。複数回移植しても着床がうまくいかない場合には、主に胚と子宮内膜のどちらかに原因があることがわかってきました。胚に対しては着床前遺伝学的検査(PGT-A、PGT-SR)、アシステッド・ハッチング、また子宮内膜に対しては子宮鏡検査やERA・EMMA・ALICE検査、高濃度ヒアルロン酸含有培養液などが行われます。このうちのいくつかは現在先進医療として行われています。 当院では上記のすべての検査・治療が施行可能ですので、患者さま一人ひとりにあわせてオーダーメイドに必要な検査・治療を行うことができます。当院での体外受精の実績についてはこちらをご覧ください。反復着床障害でお悩みの方はご相談ください。 詳しくはこちら

反復流産・不育症の方へ

2回以上の流産を繰り返す場合には、子宮の形や甲状腺機能、血液中の複数の抗体や因子、子宮内膜炎などが関わっているとされています。また、流産した胚の染色体やご夫婦の染色体も重要な因子となります。

当院では、抗体検査・ご夫婦の染色体検査・子宮鏡による子宮内膜炎検査・胚の着床前遺伝学的検査など不育症に関わるさまざまな検査をお受けいただくことができます。また、ご希望に応じて臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングや、婦人科内視鏡技術認定医による手術相談も受けることができます。反復流産・不育症でお悩みの方はご相談ください。

ご予約・お問い合わせ

初診専用電話
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月~金 9:00~17:00
土 9:00~13:00

当院は完全予約制です。初診の方(診察券をお持ちでない方)はお電話にてご予約をお願いいたします。
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