不妊症についてよく受ける質問に答えてみました。
 妊娠を希望している夫婦が、ある一定期間、通常の性生活を行っているにもかかわらず妊娠しない場合を不妊(症)といいます。この一定期間については、1年とするものと、2年とするものがあります。最近では1年妊娠しなければ不妊症という考え方が主流となりつつあります。
 妻の年齢が35歳未満なら2年程様子を見てもよいのですが、35歳以上なら1年妊娠しなければ婦人科を受診した方が良いと思います。梅ヶ丘産婦人科では不妊期間が1年以上になれば不妊治療を始めています。
 できれば不妊外来のある病(医)院が良いでしょう。
 もちろんそれでも良いのですが、とりあえず妻が婦人科を受診して、そこで夫の精液検査もしてもらい、結果が悪い場合に婦人科から泌尿器科を紹介してもらうという方が一般的です。
 昔は女性に原因がある場合が多いとされていたのですが、最近では男性に原因がある場合と女性に原因がある場合とが五分五分と言われています。
 男性の場合には、精子の数が少なかったり運動率が悪いと不妊になります。大人になってから高熱を出す病気(おたふくかぜなど)にかかると精子を作る能力がなくなることがあります。また、精液を運ぶ管に炎症をおこし、管がつまってしまって不妊になることもあります。
女性の場合には、排卵がおこりにくい、卵管が詰まっている、子宮内膜症がある、子宮筋腫がある、精子に対する抗体ができるなどさまざまな原因があります。
 梅ヶ丘産婦人科不妊外来の平成3年〜15年までのデータでは、1年以上妊娠しないということで来院された8223組の夫婦のうち55%が妊娠されています。これはまだ治療期間がほとんどない夫婦も含めての数字です。
2年以上前に初診された夫婦を調べてみると、60%の夫婦が当院の不妊治療で妊娠されています。途中で転勤などで他の病院に移った方のなかにも妊娠されている夫婦があると思いますので、おそらく65%以上の夫婦がすでに妊娠されていると思います。
私の考えでは、現在不妊で悩んでいる夫婦で、妻が35歳未満から治療をはじめ、体外受精や顕微授精までするつもりがあるのなら、75%の夫婦は妊娠可能と考えています。不妊治療はこの10年程の間に随分進歩し、治療により妊娠できる確率が非常に高くなっています。不妊で悩んでいる夫婦は、あまり年齢が高くならないうちに不妊治療をお受けになることをお勧めします。
 男性は、60歳位でも大丈夫でしょう。女性の年齢が高くなると、妊娠は非常に難しくなります。女性の場合35歳を過ぎると妊娠できる力がどんどん落ちていきます。梅ヶ丘産婦人科不妊外来のデータでは、妻の年齢が40歳以上で当院を初診して妊娠できた夫婦は26%しかありません。
また女性の年齢が高くなると流産率も高くなり、その結果、妻が40歳以上で初診して元気な赤ちゃんを産める確率は11%になってしまいます。もしあなたが人生計画の中で子供を作る予定があるのなら、できるだけ若いうちに妊娠を考えて下さい。できれば35歳までに。40歳を過ぎてから妊娠しようとしても結果を出すことは非常に難しいのが現実です。
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